完全母乳育児は大変で難しい?(その1)
生まれる前は母乳栄養を希望していたのに赤ちゃんが生まれたら、混合栄養になったり完全にミルクになったりするのはなぜでしょうか?
入院中にミルクを足すことを勧められませんでしたか?母乳育児をうたっているクリニックや病院なのになぜミルクを足すのでしょう?医療従事者の知識不足と分娩施設の方針です。それからクレーム対策もあると思います。母乳はお産後2~3日してから分泌が始まります。もちろん初乳は分泌されますが、たくさんは出ません。そして赤ちゃんは夜によく泣きます。これは母乳のホルモンが夜間に分泌されるので自然の摂理に従っているのです。そして赤ちゃんは吸啜欲求をもって生まれ、母乳も赤ちゃんに乳頭を吸われることで刺激されよく出るようになるのです。泣くからおっぱいを吸わせるのです。それから「赤ちゃんは三日分のお弁当と出納をもって生まれてくる」といわれています。つまり生後3日間は栄養や水分補給は積極的にしなくても良いのです。
でも、そんなことは普通はだれも教えてくれないのでお母さんは「私のおっぱいが出ないからお腹を空かして赤ちゃんが泣く」とか「夜は寝たいのに赤ちゃんが泣くからお産当日の夜なのに眠れない」などという思考になるのです。もし、母乳のことを十分理解し解っている医療従事者なら、患者さんに説明できるでしょう。そして患者さんの意向を確認し、対処するでしょう。母乳に対しあまり知識がなければ夜間は「赤ちゃんのお預かり」という形になるから、乳頭への刺激が不十分で母乳分泌の時期が遅れるのです。
以前勤めていたクリニックでは患者さんのそういう声を拾い、スタッフで話し合いを重ね
母乳育児を成功させるためのお産前のクラスを開催し母乳の分泌機序や吸啜刺激のことなど母乳育児をするための知識を妊娠中の方にお話をしていました。
クラスを受講したお母さんたちは「おっぱいで育てるってこんなもの」「いまは赤ちゃんに刺激してもらう時期」と案外頑張れます。
患者さんがお疲れならば2時間くらいはスタッフがお預かりして患者さんに休んでいただきます。なぜ2時間かというと母乳は消化吸収が良いので1時間半から2時間くらいで空腹感を感じるのです。「え~!そんだけしか眠れないの?」と思うでしょう。でも授乳中のお母さんは短くて浅い眠りでお疲れが取れるようになっているのです。お産後すぐはママもお昼間眠ればいいのです。
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