卒乳と断乳
卒乳と断乳を同じように使う方がいます。私個人的には違うと思いますので、うちに来る
クライアントさんには使い分けをします。
うちの助産院では赤ちゃんが「おっぱいはもういいよ」というサインを出してから完全に母乳育児をやめることを"卒乳"、赤ちゃんの意思にかかわらずお母さん側の理由で母乳育児を完全にやめることを‟断乳”といっています。
時々「1歳になったら卒乳しないといけないですよねえ」と質問がきます。「なぜ1歳になったら断乳するの?あなたが1年間で母乳育児やめたいの?」と返すと、「え?母乳って1年すると栄養はなくなるし、1年したらやめなきゃいけないんでしょ?1年間母乳をあげたら卒乳ですよね」という返事が返ってきます。
確かに1年で断乳を勧める助産院や分娩施設はあります。そういう方針をとっているところはそこなりの根拠をもって自信をもって1年での断乳を勧めているのだと思います。
「みことも」は赤ちゃんサイドから考えるのでおかあさんがおっぱいを飲ませるのが嫌でなければ卒乳を勧めます。ただ、おかあさんが病気とか母乳育児のできる環境でも母乳育児が嫌だとかつらいだとかいうときには断乳を進めます。
動物学的にいうと3歳まで母乳は飲ませて良いそうです。1歳になると乳児食になってますから、赤ちゃんがおっぱいを欲しがる時はたぶん不安な時や眠る前だと思います。赤ちゃんの安心材料なんですね、大好きなお母さんの温かい体温や臭いを感じることができるんですから…。
我が家は30年近く前になりますが、二人とも1年2か月経つとすんなりとおっぱいなしで寝て夜間授乳もなくなりました。当時乳房管理をしてもらっていた助産師からは「なんでそんなに早くおっぱいやめたの?私から何を学んだの?3歳までは母乳は飲ませてもいいって言ったでしょ」とお叱りを受けましたが、我が家の場合完全に卒乳だったのです(ちなみに、この助産師は独身時代の私の指導助産師です)。お風呂は毎日私が入れていたのですが、お風呂でもおっぱいには目もくれず、すっかりお風呂を楽しんでました。母親の私の覚悟がないときの卒乳だったので呆気にとられるやら、寂しいやら…。
断乳するときは、断乳する日に赤ちゃんにきちんと言葉で「なぜおっぱいをやめるのか」理由を伝えてあげてくださいね。赤ちゃんはちゃんと理解しています。
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