完全母乳育児をあきらめてしまう理由(私見)

妊娠中は完全母乳育児を希望してい手も、お産後に混合栄養や完全にミルクでの育児になってしまうケースが多々あります。「できれば母乳育児したい」くらいのお気持ちの方はミルクを飲ませることになってもあまり気にならないでしょうが、「絶対に母乳育児がしたい」と希望していた方はミルクを飲ませなければならなくなった時には大袈裟に言えば挫折感を味わうことになります。

妊娠中に「絶対に母乳育児で…」という確固たる思いがあれば母乳育児は70~80%成功したといわれています。

では、なぜ「絶対に母乳育児でしたい」と思っていた方がミルクを足すことになるのでしょう。このことは今までにもお話してきました。一番の弊害は産科に携わる医療従事者だと思います。なぜなら今は殆どの分娩施設でバースプランを記入してもらいます。そこに栄養方法の希望欄があります。

殆どの分娩施設で3択か4択です。

「絶対に母乳で育てる・できれば母乳で育てる・混合栄養でもよい・ミルクで育てる」のどれかに〇をする形式が多いのではないかと思います。問題はこの項目に医療者があまり関心がないことです。「どこの産科でも聞いているし、うちも母乳育児や母乳外来をうたっているから一応聞いてておくか…」くらいの気持ちなのかなあと思うことがあります。なぜなら、当院に来る患者さんやバイト先の褥婦さんの多くがあまりにも母乳育児の知識がないのです。お産後3日間は初乳が少量分泌されているだけで赤ちゃんもそれに適応した体で生まれてくること、赤ちゃんは夜型で生まれてくること、母乳関係のホルモンは夜にたくさん分泌されること、赤ちゃんの胃の大きさ、授乳姿勢、赤ちゃんの開口角(赤ちゃんが乳頭を上手に捕捉できるお口の開き方)、授乳の時の赤ちゃんのだっこの仕方等々。

勤務助産師をしているときに夜間巡視をしているとよく言われたのが「夜になるとうちの子はよく泣きます。昼間は寝ているのに…」分娩後1日目、2日目に「私のおっぱいが出ていないから赤ちゃんがお腹を空かせて泣きます」(←これは付き添っている実母さんにもいわれることが多いです)

初産婦さんは殆どの方がお産がすんだらすぐに溢れるほどおっぱいが出てくるものだと思っているのです。

退院後はマッサージしながらとか赤ちゃんの授乳時に説明しながら介助していると「誰も今まで教えてくれなかった」とおっしゃいます。

では、なぜ母乳外来などをうたっていて妊婦さんや褥婦さんにいろいろな母乳関係の知識をお話しないのでしょう。全く私見ですが

1.医師や助産師・看護師が母乳育児に関心がない

2.そもそも助産師・看護師に知識がない

3.助産師・看護師が「こんなことくらいみんな知っているだろう」と間違った認識がある

のいずれかだと思います。

普通の方は、「母乳外来」があればそこの分娩施設は母乳育児に関心があり、看護職もそれなりの知識はあるだろうと思っていますが、案外そうでもないところもあります。

3番目に関しては「まさか!」って思うでしょうが、母乳育児に関心がある分娩施設でもマザークラスや保健指導の時間に母乳についての時間が無かったり極端に少ないのです。

今はミルクという便利なものがあります。しかし、反面ミルクは出生当日から飲ませるし、確かにミルクを飲んだ後は赤ちゃんはおとなしくなります。なので、新米ママさんやミルクで育児したおばあちゃんは出生当日や1日目で「おっぱいが出ていないので、赤ちゃんがお腹を空かせて泣いている!」と思うのです。

それから、「お産で疲れた体で赤ちゃんのお世話をするのつらいよね。夜も授乳しなければいけないので睡眠不足になってしまう…」と思いますね。現に母乳育児をうたいながら「夜はしっかり寝なければお産の疲れはとれないから、患者さんが希望すれば赤ちゃんを預かって」というドクターもいます。しかし授乳中の母体は浅くて短い睡眠で疲れが取れるようになっているのです。しかし、お昼間に眠っておく必要があります。つまり入院中は赤ちゃんの生活リズムに合わせてママも生活すればいいのです。(そのためには面会時間の制限が必要)

なぜ、赤ちゃんが夜型で生まれてくのか?母乳分泌関係のホルモンが夜によく分泌されるからです。なので、夜の母児分離は母乳育児を希望しているママに「母乳育児はあきらめたら?」といっているのと同じです。すごく疲れているときには2~3時間預かってあげればよいと思います。

母乳育児を希望している妊婦さんは正しい母乳育児特に母乳の分泌や体の休め方などを妊娠中に知らされていればお産後は乗り切れると思います。

ミルクでの育児が悪いとは思いませんが、母乳育児を希望しているママが希望どおり母乳育児ができるように援助して初めて母乳育児支援といえるのではないでしょうか。

十分な知識がないまま、そして十分な援助がないまま「母乳育児を希望しているから」ということで新米ママさんと赤ちゃんに任せてしまうので、母乳育児をあきらめてしまうママが出てくると思います。


✩当院では妊娠中から母乳分泌や母乳育児中の食生活のポイントなど【母乳育児を確立するお話】をお話しています。

基本は個別でのお話ですが、お友達とのグループでのお話も受け付けています。母乳育児希望の方はお電話で予約をお入れください。

助産院 ウィメンズサポートみことも

愛知県春日井市岩野町にある「母乳育児と楽しい子育て」を応援している助産院です。 不定休です。 土曜日、日曜日、祝日も営業しています。 また、プライバシー保護のため完全予約制です。 初めて来院される方はまずお電話をおかけください。 妊娠中の保健指導、乳房ケア、産後ケアをしています。卒乳や断乳のご相談もお受けしています 小牧市、豊山町、犬山市、名古屋市守山区、北名古屋市、尾張旭市にも近いです。

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