国際助産師の日
今日5月5日は「こどもの日」ですが、「国際助産師の日」でもあるのです。
看護スタッフでなければ「産科に勤めていればみんな助産師さんなんでしょ」と思われるかもしれません。無理からぬことです。昔勤務していた産婦人科の病院で大学卒の看護師に「私、分娩介助がしたくて産科に就職したのに助産師の資格がないから分娩介助が出来ない」とまじめな顔で言われたことがあります。「大学で保助看法(保健師助産師看護師法、以下保助看法とします)を勉強したでしょう?」と聞くと「保助看法って何ですか?」との返事でした。看護師ですらこんな人がいるのです。
では、助産師と看護師の違いは何でしょう?
助産師は助産学を学び学生時代に10例の分娩介助の実習を終了しています。そして助産師国家資格を持っています。
看護師は助産学ではなく母性看護学を勉強しています(もちろん助産師は母性看護学も勉強しています)。
法律的には
保助看法第1章
第三条 この法律において「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。
第5条 この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業と者をいう。
第六条 この法律において「准看護師」とは都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう。
と業務内容について規定されています。
また、診察は医師にしかできません。唯一、正常分娩の内診は助産行為として助産師はできます。
厳しく言えば、正常分娩ならば医師、助産師のみ、正常分娩でなければ医師しか診察(内診も含む)や診断はできないのです。
乳房管理も助産師の仕事です。といっても学生時代に詳しく勉強できるわけだはないのです。今の助産師教育は助産学が主ですから、おっぱいに関しては卒業後に深く勉強していくことになります。
これはあくまでも私の考えですが、お産については卒業後は深く追及できますが、おっぱいについては卒業後に勉強が始まりその後しばらくして追及が始まります。
昔、研修会で産婦人科医が助産師を目の前にして「本当の助産師って俺たちのことを言うんでよ!」と同席している医師仲間に言っているのを聞きあいた口がふさがらなかったことがあります。
最後の常勤の病院では当時の副院長が「あのさぁ、助産師さんもたいへんだと思うよ。でもね、僕達みたいないい歳したオッサンが産婦さんの腰さすったりしてごらんよ、本人も旦那さんも嫌だと思うよ。同じ女性が付き添って優しく接していくから安心するんだよ、だから頑張って!」といっていました。まさにそのとおりだと思います。
今日は法律的な観点中心に助産師の業務をお話してみました。
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